Sawasdee Thailand
タイ王國憲法

タイ王國憲法のページ 仏暦2521年12月に改正公布された憲法の全文です。中でも特に重要と思われる個所を赤字にしてあります。

なお、現在の憲法は仏暦2543年に公布されたものであり、これとは細かい点で若干異なるものと思われます。


タイ王國憲法

前  文 第3章 タイ国民の権利と自由 第6章 国  会 第9章 地方統治
第1章 総  則 第4章 タイ国民の義務 第7章 内  閣 第10章 憲法裁判委員
第2章 国  王 第5章 国家の政策方針 第8章 裁判所 第11章 憲法改正

前文

国王 仏暦2521年年12月22日御印玉璽(西暦1978年)


プラバート・ソムデット・プラチャーゥ・ユーフゥア・プーミポン・アドゥンヤデート・マハーラート国王は次のように布告する。

国家立法議会が上奏するには、プラチャーテイポク国王が、仏暦2475年タイ王国憲法を下腸して以来、 憲法の改正や幾多の憲法の公布があった。また、ある場合には国家の状況の変化により、恒久憲法の起草公布までの間、 臨時国会統治憲章を公布しなければならなかった。

今までのすべての憲法と臨時国会統治憲章とは国王が国会を通じて立法権を、内閣を通じて行政権を裁判所を通じて 司法権を行使するという国王を元首とする民主主義体制の統治を堅持したことでは同一であった。

歴代憲法間の重要な相違点はその時々の変化する国家状況に適合さすために、国会の地位、および立法権と行政権との関係が変わったにすぎない。

これらは国王を元首とする民主主義体制の統治へのタイ国民の信望を示している。またこれはタイ国民に国家統治権を下腸したプラチャーテイポック国王の意向に合致するものである。

国王を元首とする民主主義体制の統治の堅持は今日に至るまで継承された。 仏暦2520年国王統治憲章においても、この意向を公示し、仏暦2521年中に民選議員の選挙拳行するため国家立法議会に 本憲法の起草を委託した。

国家立法議会は憲法起草の任のため一委員会を設置した。起草が終了すると、国会立法議会は起草案を、民族の独立と安全、 宗教に対する不動の保全、元首でありタイ国民の敬愛する国王の称揚、国王を元首とする民主主義体制を国家統治の方法として 堅持すること、タイ国民の権利自由の保護、タイ国民全てに正義繁栄幸福を生じさせること、というタイ国民の共同の意向である方針を 堅持して三読会によって審議した。

国会立法議会は国家の状況をも考慮して十分に憲法を審議し、この憲法をタイ王国憲法として施行するために国王の署名を求めて 国王に上奏することを決議承認した。

国王は十分に憲法を検討し、国会立法議会のごとく許可を与えるのが適当と判断した。

故に国王は本タイ王国憲法に署名し、本公布日以後、仏暦2520年11月9日署名の仏暦2520年王国統治憲章に代替して用いるよう勅命する。

国王の意向のごとく、民主主義と王国内のタイ国民の主権とを維持し、国王の統治に服する人民に幸福と繁栄とをもたらすため、 タイ国民は心をひとつにし、このタイ王国憲法を守り維持しなければならない。

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第一章 総則

(第1条)
タイ国は一体不可分の王国である。

(第2条)
タイ国は国王を元首とする民主主義体制の統治政体をもつ。

(第3条)
主権はタイ国民に由来する。元首である国王は本憲法の規定に従い国会、内閣、裁判所を通じてこの主権を行使する。

(第4条)
タイ国民は、その出身および宗教を問わず、等しく、本憲法の保護に下に置かれる。

(第5条)
本憲法に反する法令は施行することはできない。

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第二章 国王

(第6条)
国王は尊敬すべき地位にあり、何人も侵すことはできない。何人もどのような方法であれ国王を告発もしくは告訴することはできない。

(第7条)
国王は仏教徒であり、宗教の擁護者である。

(第8条)
国王はタイ軍大元帥の地位にある。

(第9条)
国王は位階および勲章を授与する権限を保持する。

(第10条)
国王は14名を超えない範囲で、有識者を枢密院議長及び枢密院議員に選任する。これが枢密院を構成する。 枢密院は、国王の諮問する全ての国王の行事について国王に意見を具申する義務および本憲法の規定によるその他の義務を有する。

(第11条)
枢密議員の選任もしくは罷免は国王の意向による。国会議長は枢密院議長の任免の勅命に副署する。 枢密院議長はその他の枢密院議員の任免勅命に副署する。

(第12条)
枢密院議員は、上院議員、下院議員、常勤公務員、公営企業職員もしくは政党の党員あるいは役員であってはならない。 またどの政党であれ政党への支持を表明することはできない。

(第13条)
就任に先立ち、枢密院議員は国王に以下の宣誓を行わなければならない。

以下「私(宣誓者名)は国王対して忠誠であり、国家と人民の利益のために誠実に職務を行い、 タイ王国憲法の全ての条項を保全し実行することを誓います。」

(第14条)
枢密院議員は死亡、辞職、もしくは罷免の勅命によりその任を離れる。

(第15条)
宮廷公務員および護衛隊長の任免は国王の意向による。

(第16条)
国王は王国内に滞在しないとき、もしくはその任を行うことができないときは、国会の承認を得て一名の摂政を任命する。 この勅命には国会議長が副署する。

(第17条)
第16条による摂政を国王が任命しない場合、もしくは国王が未成年者あるいはその他の事由により摂政を任命できない場合は、 枢密院は国会の承認を得るため摂政として適切な人物一名を国会に提案する。

国会が承認したとき、国会議長は国王の名において公布し、摂背として任命する。

(第18条)
第16条もしくは第17条の規定による摂政が存在しない期間においては、枢密院議長を臨時の摂政とする 第166条もしくは第17条により任命された摂政がその職務を実行できない場合、枢密院議長を臨時の摂政とする。

(第19条)
就任に先立ち、第16条もしくは第17条により任命された摂政は国会において以下の宣誓を行わなければならない。

以下私(宣誓者名)は国王(国王名)に対して忠誠であり、国家と人民の利益のため誠実に職務を行い、 タイ王国憲法の全ての条項を保全し実行することを誓います。

(第20条)
王位の継承は、仏暦2467年王位継承に関する王室典範の趣詣による。かつ国会の承認を要する。 男子の王子が存在しない場合は、国会は王女が王位を継承することを承認することができる。 仏暦2467年王位継承に関する王室典範の改正は、憲法の改正と同一の方法によって行うことができる。

(第21条)
王位が空席になった場合、第20条により枢密院は王位継承者名を国会に提案し承認を求める。 国会が承認したとき、国会議長は、王位継承者を招請して国王の地位に上がらせ、人民に公布する。

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第三章 タイ国民の権利と自由

(第22条)
何人も憲法の規定の下に権利と自由を有する。

(第23条)
何人も法律の下に平等であり、法律による保護を等しく受ける。

(第24条)
何人も政治的権利を有する。政治的権利の行使は法律規定に従って行う。

(第25条)
  1. 国民の義務に反せず、また秩序と人民の善良の風俗に反しないとき、何人も宗教、宗教の宗派、および宗教上の教義を 信仰する完全な自由と自己の信仰に従った祭式を行う自由を有する。
  2. 第1項の自由を行使するにあたって宗教、宗教の宗派、宗教上の教義の信仰もしくは信仰に従った祭式の実施を理由に、 国家の行為によって、得るべき権利あるいは利益を失うことがないよう何人も保護を受ける。
(第26条)
何人も行為時において施行されている法律に違法と規定され刑罰が定められている行為を除いて、刑事罰を受けることはない。 また、違法行為をなした時点において施行されている法律に規定された刑罰より重い刑罰を課せることはない。

(第27条)
刑事事件においては、容疑者もしくは被告人は違法がなかったものと先ず仮定して取り扱う。 最終判決により何人かの違法行為が明示される以前においては、その人物を違法行為者の如く取り扱うことはできない。

(第28条)
何人も身体の自由を有する。 法律に規定する権限に依る場合を除いてどのような事件であっても、逮捕、拘禁、身体の捜査をすることはできない。

(第29条)
刑事事件において容疑者もしくは被告人が貧困者で自ら弁護人をつけるだけの財産を持たない場合、 法律の規定により国家から援助を受ける権利を有する。

(第30条)
最終判決によって刑事罰を受けねばならぬ者が、後に再審の判決によつて違法行為をなした者でないことが明らかになった場合、 法律の定める条件と方法とにより、補償金をうける権利と判決によって失った全ての権利を回復する権利とを有する。

(第31条)
強制労働は行うことはできない。 但し緊急に発生した公共への危害を防ぐため法律に規定する権限に依る場合、もしくは、国家が戦闘あるい戦戦争状態にある期間や 非常事態宣言あるいは戒厳令布告の期間で、法律に規定する権限に依る場合は除外する。

(第32条)
何人も住居の自由を有する。 何人も平穏に住居に居住し支配することを保護される。 法律に規定する権限に依る場合を除いて、居住者の承認を得ずして住居に立入ることや住居を捜査することはできない。

(第33条)
  1. 財産権は保護される。この権利の範囲と制限は、法律の規定に従う。
  2. 相続は保護される。相続権は法律の規定に従う。
  3. 不動産の強制収用は行うことはできない。但し、公共施設、国家防衛上の必要、天然資源の獲得、計画、農業あるいは 工業の発展、農地改革、およびその他公共利益のためで、所有者および収用によって損失を受ける全ての権利者に、 適当な期間内に法律の定めに従って補償を実施した場合を除く。
  4. 第3項の補償額の決定においては社会的公正のため、不動産の取得の経緯、状態、および所在地とともに 収用の理由と目的とを考慮する。
  5. ある目的のために収用した不動産を法律定める期間内にその目的のために利用しなかった場合は、 旧所有者もしくは相続者に返還しなければならない。但し、第3項による他の目的のために利用し法律の規定する権限による場合を除く。
  6. 第5項に上る旧所有者もしくは相続者への返還および補借金の返還要請は、法律の規定に基づいて行う。
(第34条)
  1. 何人も言論、執筆、出版および宣伝の自由を有する。
  2. これらの自由の制限は行うことはできない。但し国家の安全維持、人民の権利自由および他の人の名誉名声の保護、 秩序と善良の風俗の維持、および人民の精神身体の劣悪化を防止停止するため、法律の規定する権限による場合を除く。
  3. 新聞事業主はタイ国籍者でなければならない。これは法律に定める条件に従う。
  4. 国家が資金その他の財産を与えて私人の新聞を助成することはできない。
(第35条)
憲法による国民の義務あるいは義務教育法、教育施設設置法に反しないとき、何人も教育・訓練の自由を有する。

(第36条)
何人も平穏かつ武器不所持で、集会する自由を有する。

この自由の制限を行うことはできない。但し、公共地で集会する場合で、公共地を利用する人民の利便を保護するため、 もしくは、国家が戦闘あるいは戦争状態にある期間や非常事態宣言あるいは戒厳令布告の期間て秩序を維持するため、 法律の規定する権限による場合を除く。

(第37条)
何人も共同で協会、組合、連盟もしくはその他の結社の自由を有する。 協会、組合、連盟もしくはその他の結社の結成、組織、活動、廃止は法律の規定による。

(第38条)
  1. 何人も本憲法の規定する民主々義統治の方法に従い政治的活動のために政党を結成する自由を有する。
  2. 政党の結成、組織、活動、廃止は政党法の規定に従う。
  3. 政党は収入源と収出を公開しなければならない。
(第39条)
何人も合法的に通信する自由を有する。通信物の検閲、没収、開封およびその他の手段により通信物の内容を 察知するための行為は行うことはできない。但し秩序と人民の善良の風俗の維持もしくは国家の安全維持のため法律に規定する 権限による場合を除く。

(第40条)
  1. 何人も王国内を移動し居住地を選択する自由を有する。
  2. これらの自由を制限することはできない。 但し国家の安全、人民の秩序、人民の福祉、都市計画もしくは青少年の福祉のために、法律に規定する権限による場合を除く。
  3. タイ国籍者の国外追放、タイ国籍者の王国内立入の禁止は行うことはできない。
(第41条)
家庭についての権利は保護される。

(第42条)
何人も法律に定める条件と方法ににより請願を提出する権利を有する。

(第43条)
政府機関の職員の行為により損害を受けた場合、法人である政府機関を訴える権利は何人にも保護される。

(第44条)
軍人、警察官、公務員、地方行政機関の職員および国家機関の職員も国民一般と同一の憲法に従った権利と自由を有する。 但し、政治、能力、規律に関して法律の規定する権限により法律、規則ににより制限される場合を除く。

(第45条)
何人も民族、宗教、国王、憲法に反して憲法上の権利と自由を行使することはできない。

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第四章 タイ国民の義務

(第46条)
何人も民族、宗教、国王および本憲法による民主々義体制の統治を維持する義務を有する。

(第47条)
何人も国家防衛の義務を有する。

(第48条)
何人も法律の規定に従い軍務につく義務を有する。

(第49条)
何人も法律に従って行動する義務を有する。

(第50条)
何人も法律の規定に従い納税の義務を有する。

(第51条)
何人も法律の規定に従い公務を援助する義務を有する。

(第52条)
何人も法律に規定する条件と方法に従い教育・訓練を受ける義務を有する。

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第五章 国家の政策方針

(第53条)
本章の規定は法律の作成と政策決定の方針に資するため規定するもので、これにより国家を訴える権利は生じない

(第54条)
国家は国王制度、独立および王国土の十全を維持しなければならない。

(第55条)
国家は諸外国との親善関係を促進し相互平等の原則を堅持する。

(第56条)
  1. 国家は独立、国家の安全および民族の利益維持のため軍事力を保持しなければならない。
  2. 軍事力は、戦闘もしくは戦争のため、国王制度防衛のため、反乱暴動鎮圧のため、国家の安全維持のため、 もしくは国家開発のために用いる。
(第57条)
国家は人民に生命身体財産の安全および平穏な生活をおこなう安全を与えるため法律と秩序を維持しなければならない。

(第58条)
国家は真剣に政府制度を効率的なものとすることに努め、また、違法な利益の追求を徹底的に防止ぽく滅する。

(第59条)
国家は司法過程手続を人民に対し公正かつ迅速なものとする。

(第60条)
  1. 国家は適正と国家の必要に応じて教育・訓練と職業別錬とを促進し保持する。
  2. 教育、訓錬制度の整備は国家のみの義務であり、全ての教育施設は国家の監督の下におかれる。
  3. 国家は教育・訓練と職業訓練とにおいて貧困者に資金およびその他の資財を与えて援助する。
  4. 国家の教育施設における義務教育、訓練は教育費を徴収することなく実施せねばならない。
  5. 高等教育、訓練においては国家は教育施設に法律の規定の範囲内で独立して自ら運営させるものとする。
(第61条)
国家は芸術、科学の研究を助成し科学・技術を国家開発に利用することを促進する。

(第62条)
国家は経済・社会開発の利益のためおよび国家の安全のため民族の青少年が身体、精神、 知能の各面で十全なものを備えることを助成し促進する。

(第63条)
国家は人民が、国王を元首とする民主々義体制の統治と地方行政とを理解し信奉することを促進する。 国家は法律の規定に従い地方が自治権をもつことを促進する。

(第64条)
国家は民族文化を促進し維持する。

(第65条)
国家は環境のバランスを維持し、人民の健康保健とを破壊する害毒を除去する。

(第66条)
国家は何人もが平穏に生活できる程度までその経済的社会的地位を向上させるための活動をする。

(第67条)
  1. 国家は農地改革もしくはその他の方法によって全ての農民が農地の所有権もしくは権利をもつよう活動する。
  2. 国家は価格保障、価格支持、市場の需要に適合した生産販売の制度規制もしくはその他の方法により 農民の生産および販売面での利益を保護し維持する。また、農民が協同組合などを結成することを促進する。
(第68条)
  1. 国家は私人が経済のイニシァティプをとることを支持する。
  2. 国家は人民全体に利益を与える公共事業を行う。
  3. 公共事業を私人が行う場合は法律に規定する権限によらねばならない。
  4. 国家は、法律に規定する権限による場合を除いて私人の直接的間接的独占が生じないよう措置を講じる。
(第69条)
国家は経済、社会開発の利益のためおよび国家の安全のために、民族の資源、経済・社会状態、科学面の発展に適合的な人口政策を定める。

(第70条)
国家は、民族国家への義務行為、公務援助、人道的義務による行為もしくは自然災害によって被災した者を扶助する。

(第71条)
国家は人民の福祉と幸福のため国家および私人による社会福祉を促進し支持する。

(第72条)
国家は就労年齢者が各々の条件に応じて職業につけることを促進する。 また、労働保護を行い、労働関係制度を整備し、労賃を公正なものとする。

(第73条)
  1. 国家は公衆衛生を促進する。また、貧困者に無料医療を与える。
  2. 危険な伝染病の防止と撲滅のための措置を、無料で人民に与える。
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第六章 国会

第一部 総則

(第74条)
  1. 国会は上院(有識院)と下院(民選院)からなる。
  2. 国会が合同して会議するか分離して会議するかは、本憲法の規定に従う。
(第75条)
  1. 上院議長を国会議長とし、下院議長を国会副義長とする。
  2. 国会議長は、合同会議の場合、国会の運営を議事日程に従って行う権利と義務および本憲法の規定に従ったその他の権利と義務を有する。
  3. 国会議長が不在の場合もしくはその任を行うことができない場合は、国会副議長が代替して行う。
(第76条)
法律案が法律となるのは、国会の助言と承認を得た場合のみである。

(第77条)
国会の承認を得た法律案は、国王の署名を求めるため総理大臣が上奏する。官報に公布して、法律として施行できる。

(第78条)
法律案を国王が同意せず、国会返付した場合もしくは、90日を経過しても返付しない場合は、国会は新たに法律案ついて 協議しなければならない。

国会が両院議員総数の3分の2以上で、従来の決議を支持した場合、総理大臣は再度その法律案を上奏する。

もし国王が30日以内に署名して返付しない場合は、総理大臣はその法律を官報で公布し、国王が署名したと同等に法律として施行できる

(第79条)
上院の議長、副議長、下院の議長、副議長、下院の野党指導者、上院議員、下院議員は各々、 法律の規定に従い報酬およびその他の代償を得る。

(第80条)
同時に上院議員、下院議員を兼ねることはできない。

(第81条)
  1. 上院議員あるいは下院議員は各議員の議員総数の10分の1以上で、自らの属する議員の議長に、 ある議員の議員資格が第87条(3)(4)(5)(6)(7)(9)もしくは(10)、 あるいは第103条(3)(4)(5)(6)(7)(9)(10)もしくは(11)によって喪失していることを証明することを請求する権利を有する。 この請求を受けた議長はこの請求を議員資格審査のため憲法裁判委員会に送付する。
  2. 憲法裁判委員会が裁定を下しその裁定を第1項で藷求を受けた義長に通知する。
(第82条)
  1. 上院議員あるい下院議員は各々の議員が名誉を損なう行為をなしたとき、各議院の議員総数4分の1以上で自らの属する議院の議長に その議員の除名の決議を求めて、請求する権利を有する。
  2. 第1項による議員除名のための各議員の議決は、各議院の議員総数の4分の3以上の支持を必要とする。
(第83条)
議員資格終了もしくは憲法裁判委員会の議員資格喪失の裁定ののち、上院議員もしくは下院議員はその地位から離れる。 但しその議員が離任前もしくはその議員の属する議員の議長が憲法裁判委員会の裁定の通知を受ける以前に、 議員の義務として行った行為あるいは、受領した報酬およびその他の代償は影響をうけない。

第二部 上院

(第84条)
上院は、国家統治に資する学問もしくは諸分野の事業に知識と専門性を有する有識者で、生来のタイ国籍を有し、 満35歳以上で、政党の党員でない者の中から、国王が任命する議員で構成する。 上院議員数は下院議員総数の4分の3以下とする。

(第85条)
  1. 上院議員の任期は国王による任命の日から6年とする。 当初においては、2年間経過した時点で、議員総数の3分1が抽選にによりその任を離れる。 また国王による任命の日から4年間経過した時点で先の2年間経過時の抽選後留任した議員のうちその2分の1が抽選により任を離れる。 計算上割切れない場合は端数を切捨てる。また抽選による議員資格の終了は任期満了による退任とみなす。
  2. 国王は任期満了により退任した者を再度任命する権限を有する。
(第86条)
  1. 第97条の(1)以外の規定を上院議員に準用する。
  2. 第1項は上院議員が任命により国家行政上もしくは公営企業において委員の地位にある場合には適用しない。
(第87条)
上院議員資格は次の場合に終了する。
  1. 任期満了
  2. 死亡
  3. 辞任
  4. タイ国籍喪失
  5. 政党への加入
  6. 第86条の禁止条項に該当したとき
  7. 第96条(1)(2)(3)に規定する禁止条項の性格を有するとき
  8. 第82条により上院が除名の決議をしたとき。この場合除名決議の日より議員資格を喪失したものとする
  9. 上院議長の許可なく90日以上国会会期中会議を欠席したとき
  10. 過失犯もしくは微罪犯を除いて最終判決により懲役の刑をうけたとき
(第88条)
任期満了以外の理由により上院議員の議席に空席が生じたとき、国王は第84条の規定に該当する者を代わりに議員として任命する。 代わりに任命された議員の任期は残余の期間のみである。

第三部 下院

(第89条)
下院は国民が選挙した議員で構成する。その数は第90条に規定する基準による。

(第90条)
  1. 県毎の下院議員数は、選挙年の前年末に発表された住民登録による県民人口を基準とし、15万人当り1名の下院議員を置く。 県人口が15万人と満たない場合は1名の下院議員を選挙する。県人口が15万人を準える場合、15万人当り1名の下院議員を選挙する。 15万人に達しない場合でも、7万5000人以上の場合は15万人とみなす。
  2. 下院議員の選挙では各県を選挙区とする。但しバンコク特別行政区については3選挙区に分割し、 各選挙区に同数もしくは最大限同数に近い教の下院議員置く。また選挙区は単一のものでなければならず、 各選挙区の人口数と下院議員数との割合は近似的なものにしなければならない。
(第91条)
  1. 下院議員選挙では各選挙区で、政党が提出した立候補者名簿に従い政党単位で投票するものとする。
  2. 選挙は直接秘密投票の方法を用いる。
(第92条)
次の者は選挙権を有する。
  1. 生来のタイ国籍者。但し父親が外国人である者については下院議員選挙法に規定する要件をも必要とする。
  2. 選挙年の1月1日現在満20歳以上であること。
  3. 選挙区に本籍登録していること。
(第93条)
選挙日において次の内容に該当する考は選挙権を行使することができない。
  1. 精神異常者
  2. 読み書きできない聾唖者
  3. 僧侶、沙弥、出家者
  4. 裁判所の令状もしくは合法的命令によって収監中の者
  5. 判決により選挙権停止中の者
(第94条)
次の者は被選拳権を有する。
  1. 生来のタイ国籍者、但し父親が外国人である者については下院議員選挙法に規定する要件をも必要とする。
  2. 選挙投票日において満25歳以上であること。
  3. 第95条により候補者を立てる政党もしくは第104条第2項による政党の政党員であること。但し所属政党は一つであること。
  4. 下院議員選挙法に規定されたその他の要件を満たしている場合。
(第95条)
  1. 党員が第94条(3)により被選挙者となることができる政党は、総選挙においてその選挙で選出される議員総数の2分の1以上の数の 候補者を立てる政党である。かつその政党は選挙区に候補者を立てる場合、その選挙区の定員数と同数の候補者を立てねばならず、 同一政党からは一選挙区に一組の候補者のみとする。
  2. 政党が候補者を立てたとき、政党もしくは立候補者を取消すことはできない。第1項に定める数の候補者を政党が立てたとき、 その後、その政党の立候補者数が減少しても、その政党は第1項に定める数を満たして候補者を立てたものとみなす。
(第96条)
次の者は被選挙権を行使することができない。
  1. 薬物中毒で罰せられている者
  2. 破産者で裁判所が未だ終了の命令を出していない者
  3. 第93条(1)(2)(3)(5)に該当する者
  4. 判決もしくは合法的命令で懲役をうけ裁判所の令状もしくは命令で収監中の者
  5. 判決もしくは合法的命令で2年以上の懲役をうけたことがあり、選挙日において刑罰の終了後未だ5年を経でない者。但し過失犯は除く。
  6. 常勤もしくは定期給与を受ける公務員あるいは地方行政機関職員、但し政治職公務員は除く。
  7. 政府機関もしくは公営企業の職員
(第97条)
下院議員は次に該当しなければならない。
  1. 大臣もしくはその他の政治職公務員であること以外には、公務組織、国家の機関、公営企業での地位や職務をもたないこと。
  2. 国家、公務組織、国家の機関および公営企業から独占特権を受けないこと、また国家、公務組織、国家の機関および公営企業と直接的、 間接的独占的性格を内容とする契約の当事者とならないこと
  3. 公務組織、国家の機関、公営企業が他の人物とも行う通常の経済活動を起えて、公務組織、国家の機閉公営企業から金銭 もしくはその他の利益を得ないこと
(2)の規定は、選挙される以前から下院議員が得ている独占特権や独占的内容の契約の当事者であることについては適用しない。 本条の規定は下院議員が退職金、年金、王族年金もしくは同様の金銭を得ている場合には適用しない。

また、下院議員が国会もしくは下院の委員になること、法律の規定により有識者として委員に任命されること、 政治職公務員の地位にある場合に国家行政上の委員に任命されることについても適用しない。

(第98条)
本憲法の規定の下で、選挙の原則と方法は下院議員選挙法に従う。

(第99条)
下院の任期は選挙の日より4年である。

(第100条)
下院の任期が満了したときは、国王は下院議員総選挙の勅令を新たに発する。

この総選挙は下院任期の満了の日より60日以内でなければならず、全王国同一日に実施するものでなければならない。

(第101条)
  1. 国王は新たに下院議員選挙を実施するため下院を解散する権限を有する。
  2. 下院解散は90日以内に総選挙を実施するため下院議員選挙日を決定した勅令によって行う。 総選挙は全王国同一日に実施するものてなければならない。
  3. 下院解散は同一理由では一回のみ実施できる。
(第102条)
下院議員の議員資格は選挙日より生ずる。

(第103条)
下院議員資格は次の場合に終了する。
  1. 任期満了もしくは解散
  2. 死亡
  3. 辞任
  4. 第94条(1)(2)(4)の資格を喪失したとき
  5. 第96(1)(2)(3)(6)(7)に規定する禁止条項の性格を有するとき
  6. 第97条の禁止条項を行ったとき
  7. 自らが属する政党から脱退したとき、もしくは、自らが属する政党が党の執行委員会と党所属下院議員との合同会議で 4分の3以上の支持により、除名の決議をなしたとき。この場合、脱退もしくは除名決議の日より議員資格を喪失したものとする。
  8. 第82条により院が除名の決議したとき。この場合、下院の決議の日より下院資格を喪失したものとする。
  9. 下院議員の属する政党が裁判所の命令で解散され、裁判所の命令の日より60日以内に その下院議員が党員が下院議員になることができる政党に加入しなかった場合、60日を経過した日の翌日よカ議員資格を喪失したものとする。
  10. 下院議長の許可なく90日以上国会会期中会義を欠席したとき
  11. 過失犯もしくは徽罪犯を除いて最終判決により懲役の刑をうけたとき
(第104条)
  1. 下院の任期満了もしくは下院解散以外の理由で下院議員の議席に空席が生じたとき、90日以内に補欠選挙を実施する。 但し下院の残り任期が180日に達しない場合を除く。
  2. 第1項の選挙では立候補者ほ先の総選挙よって党に属するる下院議獲得した政党の党員でなければならない。 また、第95条の規定を準用する。
  3. 補欠選挙で当選した議員の任期残余の期間のみである。
(第105条)
  1. 内閣が国家行政のために成立したのち、国王は下院の政党党首で、その政党に属する議員が大臣の地位につかず、 しかも下院でで最大の政党で下院議員総数の5分の1以上の議席を有する政党の政党党首でかつ下院議員である者を 下院の野党指導者として任命する。
  2. 下院議長は、下院の野党指導者任命の勅命に副署する。
  3. 下院の野党指導者は第1項の資格要件を欠いたときその資格を失う。
第四部 両院共通規定

(第106条)
上院議員、下院議員はともにタイ国民の代表である。

(第107条)
就任に先立ち、上院議員、下院議員は自らの属する議員の会議で以下の宣誓を行わなければならない。

私(宣誓者名)はタイ国民全体の利益のために誠実に職務を行い、タイ王国憲法の全ての条項を保全し実行することを誓います。

(第108条)
上院下院は各々国王が議院の決議に従って議員より任命した議長1名と副議長1名ないし2名を有する。

(第109条)
上院議長と副議長は2年毎に実施される選出日の前日までその任にとどまる。
下院議長と副議長は、議院の任期満了もしくは解散までその任にどまる。
上院議長と副議長および下院議長と副議長は第1項もしくは第2項に規定する期限以前にも次の場合に解任される。
  1. 自らの属する議院の議員資格を喪失したとき
  2. 辞任
  3. 大臣もしくはその他の政治職公務員に就任したとき
  4. 懲役の判決をうけたとき

(第110条)
上院議長と下院議長は各々の議院の運営を規則に合わせて行う権限と義務を有する。 副議長は議長が不在のときもしくは職務を実行できないときに議長に替って執務する権限と義務を有する。

(第111条)
上院議長と副議長もしくは下院議長と副議長が議場に不在の場合、各々の議院の議員はその会議での議長を自ら選出する

(第112条)
上院の会議もしくは下院の会議は各議院の議員総数の2分の1以上出席をもって定足数とする。

(第113条)
議決や協議事項の裁定は多数決をもって決する。但し本憲法中に他の規定がある場合を除く。 一名の議員ほ議決にあたって一票の投票権をもつ。もし票数が同数の場合、会議の議長にさらにもう一票を与え決定する。

(第114条)
  1. 上院の会議、下院の会議もしくほ国会合同会議において、議員が事実の発表、意見の発表もしくは議決にあたって陳述することは 議員の絶対的特件であり、何人もどのような方法によってもこの陳述について訴えることはできない。
  2. この特権は上院もしくは下院の規則に従って議事録を出版する者を保護し、 また会議で事実あるいは意見の発表を許可した会議の議長をも保護する。
(第115条)
  1. 下院議員の選挙の日より30日以内に第一回の会議のために国会が召集される。
  2. 一年間に下院の決定に従い一会期もしくは二会期の通常国会が開かれる。
  3. 第1項による第一回会議日は、通常国会開会日とみなす。次会期以後の国会の通常国会開会日については下院が決定するものとする。
(第116条)
  1. 国会の通常国会の一会期は90日とする。国王は会期の延長をすることができる。
  2. 90日満了以前の通常国会の閉会は国会の承認を得た場合のみ行うことができる。
(第117条)
国王は国会を召集し、開会し、閉会する。国王は第一回通常国会開会式典に自ら臨席するか、 成人に達した国王後継者もしくは何人かを国王代理として開会式典に出席させる。

(第118条)
国家の利益のために必要があるとき国王は臨時国会を召集することができる。

(第119条)
  1. 上下両院議員もしくは下院議員は両院の議員総数の3分の1以上の署名で臨時国会の召集を求める権利を有する。
  2. 第1項の請求は国会議長に提出する。
  3. 国会議長は国王に上奏し、勅命に副署する。
(第120条)
第119条の規定の下での国会の召集、延長、閉会は勅令によって行う。

(第121条)
  1. 国全会期中には、上院議員もしくは下院議員を逮捕、拘留、もしくは呼び出して、刑事事件容疑者として取調べることを禁じる。 但しその議員が属する議院から許可を得た場合もしくは現行犯で逮捕された場合を除く。
  2. 現行犯で上院議員もしくは下院議員を逮捕した場合、直ちにその議員の属する議院の議長に通知する。 議長はその議員の釈放を命じることができる。
(第122条)
  1. 上院議員もしくは下院議員が刑事事件で、会期中であると否とを問わず起訴された場合、裁判所はその事件を 国会会期中審理することはできない。但し、その議員が属する議院から許可を得た場合はこの限りではない。
  2. しかし、裁判所の審理は、その議員が国会に出席することを妨げるものであってはならない。
  3. 被告人が議員であることを言及する以前に裁判所がなした審理ほ有効である。
(第123条)
  1. 上院議員もしくは下院議員が、国令会期以前から取調べもしくは審理中で拘留されており、
  2. 会期に達した場合、替察、もしくは裁判所はその議員が属する議院からの請求があった場合、直ちに釈放しなければならない。
  3. 第1項の釈放命令は、釈放命令の日から国会会期の最終の日まで有効である。
(第124条)
第161条の規定の下で、下院の任期満了後もしくは国会解散中は上院の会議は開くことができない。

(第125条)
法律案は内閣もしくほ下院議員のみ連出することができる。但し金銭法案は、下院議員は内閣の賛同を得たときのみ提出できる。 下院議員の法律案提出は、その議員が属する政党が提出の決議をしその政党所属の下院議員20名以上が賛同しなければならない。 金銭法案とは次の全ての項目もしくは一部の項自に該当するものをいう。
  1. 租税の新設、廃止、減額、改訂、猶予あるいは、租税に関する規則の設定
  2. 国庫金の分配、収入、保全、支出あるいは国家予算支出の移譲
  3. 金銭の借入、保証、返済
  4. 通貨
法律案が内閣の賛同を必要とする金銭法案か否かについて疑問が存する場合は下院議長が裁定を下す権限を有する。

(第126条)
法律案は、下院に先に提出する。

(第127条)
  1. 第133条の規定の下、下院が第126条によって提出された法律案を審議し可決したとき、下院はその法律案を上院に提出する。 上院は提出された法律案を90日以内に審議終了しなければならない。 但し金銭法案は、下院が特別忙期間の延長の決議をしない限り30日以内に審議終了しなければならない。 日数の計算においては、会期中にある日を意味し、法律案が上院に達した日より計算する。
  2. 第1項の期間の計算においては、第130条により憲法裁判委員会の審理中の期間は含ませない。
  3. 上院が第1項に定める期間内に法律案の審議を終了しないとき、上院はその法律案を可決したものとみなす。
  4. 下院が金銭法案を上院に提出する場合、下院議長はその法律案が金銭法案であることを通知する。下院議長の通知は最終絶対である。
  5. 下院議長が法律案が金銭法案であると通知しなかった場合、その法律案は金銭法案でないとみなす。
(第128条)
第133条の規定の下、上院が法律案を審議終了したとき、
  1. もし下院に賛成であれば、第77条による手続を行う。
  2. もし下院に賛成しない場合、法律案を一先ず留めおき下院に返付する。
  3. もし修正追加した場合、修正追加した法律案を下院に返付する。 この場合、両院は議員もしくは非議員から同数の委員を下院が定める数だけ選出し、その法律案審議のための両院協議会を設置する。 両院協議会は審議終了した法律案を両院に報告し提出する。 もし両院とも両院協議会が審議した法律案を可決したとき第77条による手続を行う。 もしいずれかの議員が可決しないとき、一先ずその法律案を留めおく。
両院協議会ほ法律案審議において何人からも資料を請求し、もしくは事実あるいは意見の発表を求めるため何人をも召喚することができる。 第114条に規定する特権は本条に従って行動する人物をも保護する。

両院協議会の会議は委員総数の2分の1以上の委員の出席をもって定足数とする。委員に関する下院の会議規則を準用する。

(第129条)
第128条により留め置かれた法律案は第128条(2)については上院が法律案を下院に返付した日より数えて、 第128条(3)についてはいずれかの議院が否決の決議をした日より数えて180日を経過したときより、 下院は新たに審議することができる。

この場合、下院がその議員総数の過半数でもとの法律案もしくは両院議金が審議した法律案を可決したとき、 その法律案は国会の承認をえたものとみなし第77条による手続を行なう。

(第130条)
  1. 第128条の規定に従い法律案が留めおかれている期間中は、内閣もしくは下院議員は、 留めおかれている法律案と基本原則が同一もしくは近似した法律案を堤出できない。
  2. 上院もしくは下院が提出された法律案が留めおかれている法律案の基本原則と同一もしくは近似しているとみなした場合 上院もしくは下院の議長は、その法律案を憲法裁判委員会に送付し裁定を求める。 もし憲法裁判委員会がその法律案が留めおかれている法律案の基本原則と同一もしくは近似していると裁定した場合、 その法律案は無効となる。
(第131条)
下院の任期が満了するかもしくは国会解散の場合、国会が未だ可決していない法律案、国王が承認していない法律案もしくは 90日を経過して国王が未だ返付していない法律案は無効となる。

(第132条)
国家歳出予算は法律として作成する。もし年次国家歳出予算法が新会計年度に間にあわない場合は、前年の予算法を一時的に使用する。

(第133条)
  1. 年次国家歳出予算法案、追加予算法案、予算移譲法案については、下院は各々の法案か下院に達した日より数えて 90日以内に審議を終了せねばならない。
  2. 第1項の期間内に下院が法案を審議終了しない場合は、下院はその法案を可決したものとみなし、その法案を上院に提出する。
  3. この法案審議においては上院は法案が上院に達した日より15日以内に可否の決議をなさねばならない。 もしこの期間を超えたとき上院はこの法案を可決したものとみなす。上院が可決した場合、第77条による手続を行なう。
  4. もし上院が本条の法案を否決したとき、第129条第2項の規定を準用する。
  5. 年次国家歳出予算法案、追加予算法案、予算移譲法案の審議において、下院議員は費用の増加、費用内の数量の増加の動義を 提出できない。但し、次のような拘束的支出以外の支出の減額もしくは切捨の動議は提出できる。
    • 借入金元本返済金
    • 借入金金利
    • 法律で支出が定められている支出
(第134条)
国庫金の支出は、歳出予算法、予算手続法、予算移譲法、国庫引当金法で許可されている場合のみ行なうことができる。 但し緊急の必要ある場合は、法律の規定する原則と方法に従って事前に支出することができる。

この場合、予算移譲法、追加予算法、年次歳出予算法の中で補填予算を設けなければならない。

(第135条)
上下両院は各々本憲法の規定よって国家行政を監督する権限を有する。

(第136条)
上院もしくは下院の会議で全ての議員は大臣に担当職務に関する質問をする権利を有する。 しかし大臣は、内閣が国家の安全や重要な利益に関することなので公開べきでないと判断した場合、答弁しない権利を有する。

(第137条)
  1. 下院議員は下院議員総数の6分の1以上の署名によって大臣を個々にもしくは内閣全体として不信任決議するため、 一般演説を開くことを請求する権利を有する。
  2. 一般演説の議事日程を実行しないという決義がされた場合を除いて、一般演説が終了したとき下院は信任もしくは不信任の決議をなす。 この決議は一般演説が終了した日と同一日に行なうことはできない。
  3. 不信任の決議は下院の議員総数の過半数の賛成を得て可決する。
  4. 不信任決議の投票が下院の議員総数の過半数の票を得ることができなかった場合、−般演説を開くために署名した下院議員は、 その会期中には大臣を個々にもしくは内閣全体を不信任するための一般演説を開く請求を再度行なうことはできない。
(第138条)
上院の会議下院の会議、国会合同会議は各々の議院が定める規則に従って公開なされる。 但し各議院の議員もしくは国会合同会議の議員が各議院の議員総数もしくは両院議員総数の4分の1以上で、 また内閣が秘密会を請求したとき秘密会とする。

(第139条)
  1. 上下両院は、議院が委任した事項の実施、審議調査、研究のため議員から選出して通常委員会を、 また議員もしくは非議負から選出して特別委員会を設置する権限を有する。 これらの委員会は、その活動の実施、審議調査、研究のため何人からも資料を請求し、 もしくは事実あるいは意見の発表を求めるため何人をも召喚することができる。
  2. 第114条に規定する特権は本条により職務を行なう者をも保護する。
  3. 通常委員の選出においては、下院の中に議席を有する各政党の下院議員数に対する比率に従って もしくはその比率に近い数に従って行なう。
  4. 第142条による下院の会議規則が存在しない期間中は、下院議長が第8項の比率を決定するものとする。
(第140条)
委員会の会議においては委員総数の2分の1以上の出席をもって定足数とする。

(第141条)
第191条の規定の下で、国会の権限と義務に閑して憲法解釈をすべき問題が生じた場合、 解釈は国会の権限とし国会の解釈を最終絶対のものとする。

(第142条)
上下両院は、議長、副議長および委員の選出と職務実施、会議の方法、法律案の提出と審議、動議、協議、演説、議決、質問、一般演説、 秩序維持、本憲法の規定を実施するためのその他の事項について会議規則を作成する権限を有する。

第五部 国会合同会議

(第143条)
次の場合、国会合同会議を行なう。
  1. 第16条、第17条により摂政をおく場合の承認
  2. 第19条による摂政の宣誓
  3. 第20条による仏暦2467年王位継承に関する王室典範の改正
  4. 第21条による王位継承の承認
  5. 第78条による新法律案の協議
  6. 第116条による国会閉会の承認
  7. 第117条による国会開会
  8. 第141条による憲法解釈
  9. 第151条1条による政策発表
  10. 第153条による一般演説の開始
  11. 第161条による宣戦の承認
  12. 第162条による条約書の承認
  13. 第184条による憲法裁判委員の任命
  14. 第194条による憲法の改正
(第144条)
国会合同会議においては上院会議規則を準用する。

(第145条)
第10条、第78条、第151条第2項、第194条の規定の下、国会合同会議においては、両院に用いる条須を準用する。 但し委員会の設置については、各議院の議員から任命する委員数は各議院比率に応じた、もしくはこの比率近い割合とする。

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第七章 内閣

(第146条)
  1. 国王は内閣を構成する総理大臣一名と44名以内の大臣を任命する。
  2. 内閣は国家行政の職務を有する。
  3. 国会議長が総理大臣任命の勅命に副書する。
(第147条)
就任に先立ち、大臣は国王に次の宣誓を行なわなければならない。

私(宣誓者名)は国王に対して忠誠であり国家と人民の利益のために誠実に職務を行ない、 タイ王国憲法の全ての条項を保全し実行することを誓います。

(第148条)
大臣は政治職公務員以外に常勤の公務員であることはできない。

(第149条)
大臣は第97条に規定する下院議員の禁止条項に該当する地位についたり、行為をすることができない。 但し、法律の規定により地位につかねばならない場合を除く。 また、利益のために事業を行なう個人、合名会社、会社およぴその他の機関の支配人、役員、代理人および被雇用者になることができない。

(第150条)
大臣は自らが議員でない国会の会議に出席し、事実もしくは意見を発表する権利を有する。但し議決権は有しない。 第114条に規定する特権を準用する。

(第151条)
内閣は国家行政を始めるにあたってその政策を国会で表明しなければならない。但し信任決議は行なわない。

(第152条)
国家行政政策の実行において、大臣は自らの職務について下院に責任を負わねばならず、 内閣の一般政策については下院に共同責任を負わねばならない。

(第153条)
内閣が国家行政に関する問題で、上院議員および下院議員の意見を徴することが適当と判断した場合、 総理大臣は国会議長に国会議場で一般演説を開くことを求めることができる。 この場合、国会は演説した問題について議決することはできない。

(第154条)
内閣は次の場合総辞職する。
  1. 第137条による下院の不信任決議
  2. 下院の任期満了もしくは下院解散
  3. 内閣の辞職
  4. 第155条による総理大臣の大臣資格喪失
総辞職した内閣は新内閣がその任につくまでその地位に留まらなければならない。

(第155条)
大臣の資格は次の場合喪失する。
  1. 死亡
  2. 辞職
  3. 大臣が下院議員でない場合第94条(1)(2)(4)により、大臣が下院議員である場合第94条(1)(2)(4)により 下院議員被選挙権者の資格を欠いたとき、もしくは、第96条(1)(3)(5)(6)に規定する禁止条項こ該当するとき
  4. 懲役の判決をうけたとき
  5. 第137条により下院が不信任決議をしたとき
  6. 第149条による禁止行為
  7. 第156条による勅命
本条(2)(3)(4)(6)の大臣資格喪失については第81条、第82条、第83条の規定を用いる。
(第156条)
国王は総理大臣の助言により大臣を罷免する権限を有する。

(第157条)
  1. 国家の安全、国家経済の安全もしくは公共への危害防止のうえで緊急の必要のある場合、 国王は法律と同等の緊急勅令を公布できる。
  2. 次期国会の会議において、内閣はその緊急勅令を審議のため遅滞なく提出しなければならない。 下院が可決しない場合もしくは下院が可決し、一方上院が否決して下院が議員総数の過半数で再可決しない場合は、 この緊急勅令は無効となる。但しこの緊急勅令施行中の行為には影響を与えない。
  3. 上下両院が緊急勅令を可決した場合、もしくは上院が否決し、下院が議員総数の過半数で再可決した場合、 その緊急勅令は以後、法律として施行する。
  4. 緊急勅令の可否決は総理大臣が官報にて公布する。否決の場合は官報布告の翌日より無効となる。
  5. 上下両院の緊急勅令審議は各議院の会議の開かれる第一回目に行なわなければならない。
(第158条)
  1. 国会会期中においても、国家の利益維持のため緊急かつ秘密に審議しなければならない租税もしくは 通貨に閑する法律の必要が生じた場合国王は法律と同等の緊急勅令を公布できる。
  2. 第1項による緊急勅令は、官報記載の日の翌日より三日以内に下院に提出しなければならない。また第157条の規定を準用する。
(第159条)
国王は法律に反しない限り勅令(政令)を公布する権限を有する。

(第160条)
  1. 国王は戒厳令法の性格と方法によって戒厳令の施行と解除との布告権限を有する。
  2. 緊急に特定地域のみに戒厳令を布告する必要がある場合、軍人の担当者は戒厳令法によりこれを行なうことができる。
(第161条)
  1. 国王は国会の承謡を得て宣戦の布告をする権限を有する。国会の承認の決議は両院議員総数の3分の2以上による可決を必要とする。
  2. 下院が任期満了もしくは解散中のときは、上院が第1項の承認において国会の任を果たす。
(第162条)
  1. 国王は諸国もしくは国際機閑と平和条約およびその他の条約を締結する権限を有する。
  2. タイ国領土もしくは国家主権域の変更、条約に適合さすための法律の改正布告を必要とする条項をもつ条約は 国会の承諮を得なければならない。
(第163条)
国王は恩赦の権限を有する。

(第164条)
国王は位階を剥奪し、もしくは勲章の返還を求める権限を有する。

(第165条)
国王は省次官、局長およぴこれと同等の地位にある武官文官を任免する権限を有する。

(第166条)
第165条規定のの下、公務員の資格決定、任命、昇任昇給、懲罰、罷免は法律の裁定に従う。

(第167条)
政治職公務員以外の常勤の公務員は政治職公務員になることはできない。

(第168条)
国家行政に関る法律、国王の信書、勅命は、本憲法に別の規定がある場合を除いて大臣の副書を必要とする。

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第八章 裁判所

(第169条)
訟訴の審理は裁判所の権限であり、法律に従い国王の名の下で行なわなければならない。

(第170条)
裁判所の設置は全て法律によらねばならない。

(第171条)
既に該当事件を審理するための普通裁判所が法律に従って存在しているにもかかわらず、この裁判所に代わって ある事件のみもしくは同一内容の事件のみを審理するために新たに裁判所を設置することはできない。

(第172条)
ある事件のみに用いるため裁判所法もしくは訴訟法を修改正する結果をもたらす立法は、これをなすことはできない。

(第173条)
裁判官は法律に従って訴訟を審理する自由を有する。

(第174条)
裁判官は政治職公務員であることはできない。

(第175条)
国王は通常裁判所に属する裁判官を任免する。裁判官は当初任につくに先立って司法公務員規則法により 裁判官委員会が定めた宣誓を国王に対して行なわなければならない。

(第176条)
  1. 通常裁判所に属する裁判官の任免は司法公務員規則法により裁判官委員会の承認を得て国王に上奏する。
  2. 通常裁判所に属する裁判官の昇任、昇給、懲罰は司法公務員規則法により裁判官委員会の承認を得なければならない。
(第177条)
  1. 軍事裁判所は法律に規定する事件を審理する権限を有する。
  2. 軍事裁判所の裁判官の任免は法律の規定による。
(第178条)
通常裁判所もしくは軍事裁判所以外の裁判所の裁判官の任免、事件審理の権限、審理方法についてはその裁判所の設置法に従う。

(第179条)
通常裁判所とその他の裁判所との間もしくはその他の裁判所間に権限と義務に関して問題が生じた場合は、憲法裁判委員会が裁定する。

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第九章 地方統治

(第180条)
地方統治は、法律の規定に従い、その地方の人民の意見に従った自治の原則によらねばならない。

(第181条)
  1. 地方統治のため地方議会、地方行政委員会もしくは地方行政者をおく。
  2. 地方議会、地方行政委員会もしくは地方行政者の権限と義務は法律の規定に従う。
(第182条)
  1. 地方議会議員選出は主として選挙による。議員の任命は法律の規定によって必要な場合のみ行なうことができる。
  2. 但し任命議員の数は選挙された議員より少ないものでなければならない。
  3. 地方議会議員の選挙は直接秘密投票の方法を用いる。
  4. 地方議会議員被選挙権者は少なくとも第94条(1)(2)の資格要件を必要とする。
  5. 本条の選挙の原則と方法は法律の定めによる。
(第183条)
  1. 地方行政委員会もしくは地方行政者の選出は主として選挙による。 地方行政委員会もしくは地方行政者の任命は法律の規定によって必要な場合のみ行なうことができる。
  2. 本条による選挙の原則と方法は法律の定めによる。
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第十章 憲法裁判委員

(第184条)
  1. 憲法裁判委員会は、国会議長、最高裁判所長官、検察局長、および有識者から国会が任命したその他4名の者から構成される。
  2. 国会議長が憲法裁判委員会委員長である。
(第185条)
国会が任命する憲法裁判委員は、上院議員、下院議員、地方議会議員、地方行政者、常勤公務員、公営企業職員、地方行政機関職員で あってはならない。

(第186条)
憲法裁判委員は法律の競定に従い給与およびその他の利益をうける。

(第187条)
  1. 総選挙後は毎回、第1回国全会期開始の日より3O日以内に国会は有識者の中から新たに憲法裁判委員を任命する。
  2. 第1項にいう日数の計算は会期中の日数を意味する。
  3. 第1項の憲法裁判委員の任命においては再任を妨げない。
(第188条)
国会に任命された憲法裁判委員は次の場合その任を離れる。
  1. 総選挙後第1回国全会期の開始
  2. 死亡
  3. 辞職
  4. 上院議員、下院議員、地方議会議員、地方行政者、常勤公務員、公営企業職員、地方行政機関職員になったとき
  5. 懲役刑の判決を受けたとき
(第189条)
第188条(1)の任期満了以外の理由で憲法裁判委員に空席が生じた場合、国会は30日以内に任命する。 第1項にいう日数の計算は会期中の日数を意味する。

(第190条)
法律案が国会の承東を得、第77条により総理大臣が国王の署名を求めるため上奏する前に
  1. 上下両院議員が合同で、もしくは各々の議院の議員が両議院総数の5分の1以上で、法律案が憲法に反すると判断した場合、 国会議長もしくは各々の議院の長にその意見を提起する。提起を受けた議長はその意見を憲法裁判委員会に送付し裁定を求める。 またこのことを総理大臣に通知する。
  2. 総理大臣が法律案が憲法に反すると判断したとき、その意見を憲法裁判委員会に送付し裁定を求める。 またこのことを上院議長および下院議長に通知する。
憲法裁判委員会が審理中においては裁定が出るまで第1項の法律案を施行するための手続を停止する。 憲法裁判委員会が該当法律案が憲法に反すると裁定した場合、総理大臣はその法律案を国会に返付する。

(第191条)
  1. 裁判所が事件に法律の規定を適用するにあたって、裁判所がその法律の規定が第5条に合致せねばならないと判断し、 その規定について憲法裁判委員会の裁定が未だ存在しない場合、裁判所は事件審理を一時的に停止し、憲法裁判委員会の裁定を求めるため、 その意見を公式に送付する。
  2. 憲法裁判委員会の裁定は全ての事件に適用できる。但し裁判所の最終判決を既に得ている事件には影響しない。
(第192条)
憲法裁判委員会の裁定は最終絶対であり、官報に掲載して公布する。

(第193条)
憲法裁判委員会の審理手続は法律に定める。

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第十一章 憲法改正

(第194条)
憲法の改正は次の原則と方法とによってのみ実行できる。
  1. 改正動議は内閣もしくは下院議員総数の3分の1以上の下院議員より提出されなければならない。 下院議員の動議はその議員が属する政党が提出の決定をしたときのみ提出できる。
  2. 改正動議は憲法改正案として提出されねばならず、国会は三読会制で審議する。
  3. 基本原則可否の第一読会議決においては議員の氏名を呼び上げる方法を用いる。 また両院議員総数の2分の1以上の支持を得た場合可決とする。
  4. 逐条審議を行なう第二読会の可否は多数決による。
  5. 第二読会の審議終了後15日間をおき、国会は第三読会の審議にはいる。
  6. 最終読会である第三読会の議決においては議員の氏名を呼び上げる方法を用いる。
  7. また憲法として施行することに、両議院議員総数の過半数の支持を得た場合は可決とする。
  8. 上記の方法で議決を行ない、憲法改正案を国王に上奏する。また第77条、第78条の規定を準用する。
(第195条)
本憲法施行の日より第202条による下院議員選挙の日までは、仏暦2520年王国統治憲章による国家立法議会が本憲法に 規定する国会の任を負う。但し国家立法議会議員は第125条による法律案の提出、第136条による質問、あるいは第137条による 一般演説を開くための署名をすることはできない。

また第86条および第97条の規定を国家立法議会議員の地位にある者に適用できない。

(第196条)
第114条、第121条、第122条および第123条の規定を、第195条による国家立法議会議員にも準用する。

(第197条)
本憲法施行日以前より存する枢密院は本憲法の規定による枢密院とする。

(第198条)
  1. 本憲法施行日以前より国家行政の任にある内閣もしくは第202条による下院議員選挙前に成立した内閣を本憲法により 国家行政を行なう内閣とする。また、第148条、第149条、第151条の規定は、本条により大臣の地位にある者に適用できない。
  2. 第202条による下院議員選挙が実施されたとき、第1項による内閣はその地位を離れる。 しかし新内閣がその任につくまでその地位に留まらなければならない。
  3. 第167条および第174条の規定は、新内閣がその任につく日以前に政治職公務員の地位にある公務員には適用しない。
(第199条)
本憲法施行日以前に任にある国家政策議会は、新内閣がその任につくまで、内閣が国家の政策方針と第200条の義務に従って 国家行政を実施するために意見を提出する任をなす。

(第200条)
  1. 本憲法施行の日から新内閣がその任につくまでの期間にあっては、王国の安全、王座、国家経済もしくは国家行政を破壊する行為、 秩序と人民の善良の風俗を混乱もしくは脅やかす行為、あるいは国家の資源を破壊しもしくは人民の健康悪化を招く行為で、 それらの行為が発生した日が本憲法施行日の前後であるを問わず、またそれらの行為の発生地が国の内外であるを問わず、 総理大臣がこれらの行為の防止もしくは停止に資するため必要であると判断した場合、総理大臣は内閣と国家政策議会との承認を得て、 いかなる命令もしくは行為をなす権限を有する。 総理大臣のこれらの命令、行為、もしくはこれらの命令に従った活動は、法律と本憲法とに反しないものとする。
  2. 総理大臣が第1項による命令もしくは行為をなした場合、総理大臣は国会に通知する。
  3. 第1項の期間終了時に.依然効力を有している本条による総理大臣命令は、以後も効力を維持するものとし、 これらの命令の改廃は法よらねばならない。
(第201条)
当初においては、国王は第202条による下院議員選挙日に本憲法の規定する上院議員を任命する。

(第203条)
本憲法施行の当初においては、第148条に規定する場合の他に、次の場合も国会合同会議を以って実施する。
  1. 年次歳出予算法案、追加予算法案、予算移譲法案の審議
  2. 第187条による一般演説会
  3. 内閣が王国、王座もしくほ国家経済の安全に閑係ある重要法案であると通知し、国会議長が承認した法律案の審議
  4. 第157条および第158条による緊急勅令の審議
この場合、上院議員は下院議員と同等の権利を有する。但し第137条による一般演説会請求のため署名すること、 もしくは署名に参加することはできない。また、第133条、第137条第2項および第3項第157条、第158条にいう 下院あるいは上院は、国会を意味するものとする。

(第204条)
本憲法施行の当初においては
  1. 本憲法により選出された下院議員の選挙、地位および議員資格の喪失に、第90条第22項、第91条第1項、第94条(3)、 第95条および第103条(7)(9)は適用しない。下院議員選挙において全県一区制を用いるか中選挙区制を用いるかは 下院議員選拳法の規定による。また選挙権者はその選挙区の定員数に等しい数の役票権を有する。
  2. 第79条、第105条、第139条第3項は、下院における野党指導者の任命、就任、解任および通常委員会委員の任命には用いない。
  3. 第148条および第149条の規定のうち第97条(1)(3)および第167条に規定する禁止事萌に限っては、 大臣およびその他の政治職公務員の就任には用いない。
  4. 第125条第2項および第194条(1)の規定のうち政党に関するものに限り法律案の提出および憲法改正動議提出については用いない。
  5. 下院議員の法律案堤出は、内閣が任命した3名、上院が任命した6名、下院が任命した8名の合計17名の委員からなる 法律案裁定特別委員会の賛同を得たときのみ行なうことができる。
  6. 第114条に規定する特権は(5)従って職務をなす者をも保護する。
(第205条)
第201条による上院議員任命の日より4年間が経過したとき、第203条、第204条の規定を無効とする。但し第204条(3)の 規定は新たに任命された内閣が任につくまで有効とする。

(第206条)
仏暦2519年タイ王国憲法第21条もしくは仏磨2520年王国統治憲章第27条の規定する権限により総理大臣が命じた全ての命令で、 本憲法施行日に依然用いている命令は継続して有効である。これらの命令の改廃ほ法律による。

-以上-



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